妻から子の引渡しの仮処分を求められたが、夫の主張が認められ、妻が申立てを取り下げざるを得なくなった事例
状況
子どもが3人いますが、妻がそのうちの1人を連れて家を出ていきました。そして現在、残り2人の引渡しを求める仮処分を申し立てられています。
このような状況から、この方（夫）は「離婚自体に異議はないが、何としてでも子どもを引き渡したくない」という思いで、ご相談に来られました。
活動
妻の申立書に対して、当職がクライアントの主張をまとめた30枚にもわたる反論書を作成し、提出しました。さらに、家裁調査官の調査にも意欲的に協力し、クライアントの監護養育状況になんら問題がなく、現時点で相手方に子どもを引き渡すべき事情がないことを強く訴えかけました。その結果、裁判所もこちらの主張を概ね受け入れてくださり、裁判所からの働きかけもあって、相手方が申立てを取り下げるに至りました。
ポイント
一般的に、子どもに関することは母である妻の領分であり、おのずと夫は不利な立場にあると思われがちですが、近年の傾向によれば、実際の監護養育状況、またその他監護上の問題はないか等、さまざまな事情を考慮したうえで判断がなされます。それゆえ、監護態勢が十分なものであり、何ら問題がないことをきちんと主張立証できれば、夫が有利な判断を得ることも十分にありうるとされています。
本件において、当事務所の弁護士がそのような主張立証に尽力した結果、クライアントのご要望通り、子の引渡しを回避することができたという点において、大きな成功を収めることができたと思います。
