法定の離婚事由が無いものの別居期間が長期間にわたっていることを理由に、訴訟提起後、短期間で離婚を認めさせることに成功した事例
状況
夫と別居してもう9年ほどになります。夫との関係が改善する見込みもありませんし、私としてはそろそろ婚姻関係を解消し、第二の人生をスタートさせたいと思っていますが、夫が断固として離婚に応じようとしてくれません。
このような状況から、この方（妻）は「離婚を成立させたい」という思いで、ご相談に来られました。
活動
当初、調停で解決を図るつもりでしたが、相手方が法的根拠のない高額な慰謝料請求をしてきたことにより話し合いがまとまらず、訴訟手続に移行することになりました。そして、本件ではすでに別居期間が9年という長期にわたっていること、および夫が婚姻関係の修復に関する具体的提案をせず、今後両者の関係修復が見込まれないこと等から、第2回期日において、裁判官から夫に対して、離婚に応じるよう事実上の勧告がなされました。その結果、比較的早い段階で離婚が成立するに至りました。
ポイント
不貞行為のような明確な離婚原因がない場合、離婚が認められるか否かは別居期間の長さが大きな要素になるとされており、一般的に、別居期間が3年あれば離婚が認められる傾向にあります。そのため、すでに別居から9年もたっている本件のような事案では、極めて高い確率で離婚が認められることが予想されました。もっとも、最終的に判決を得るまで徹底的に訴訟を行うとすれば、半年ほどの期間を要することも十分にありえます。しかし、本件ではわずか2回の期日で離婚の流れに持ち込むことができたという点において、大きな成功を収めることができたと思います。
