不貞行為の確実な証拠が無い中、慰謝料・解決金として３００万円の支払を認めさせるとともに、離婚後も自宅に一定期間住み続けることを認めさせることに成功した事例
状況
突然、夫から離婚調停を申し立てられました。私としては、子どもがまだ幼いため、今の家にそのまま住み続けたいと思っています。また、夫は以前から不貞を働いているようですが、その確実な証拠がないため、相応の慰謝料を支払ってもらえるか心配です。
このような状況から、この方（妻）は「離婚するにしても、余程の好条件でなければ応じたくない」という思いで、ご相談に来られました。
活動
相手方が離婚を急いでおられる様子でしたので、こちらとしては、一貫して離婚に応じないとの姿勢を貫くことにより、なるべく有利な離婚条件を取り付けようという方針で調停に臨みました。その目論見通り、当初、相手方は解決金として100万円のみを提示していましたが、最終的には300万円にまで金額を吊り上げることに成功し、さらに養育費についても、一般的な相場よりも高い額で合意に至ることができました。他方、自宅については、相手方は早急に売却し、その資金で住宅ローンを完済したいと主張されていましたが、粘り強く説得したところ、お子様が一定の年齢になるまではそのまま住み続けてもよいということになりました。
ポイント
離婚の交渉は、「成立するまでの時間」を重視するか、「金銭等の条件」を重視するか、いずれをとるかによって結論が変わってきます。とりわけ、本件は相手方が早期離婚を望んでいる一方、別居期間が短く、訴訟になれば離婚成立までに時間がかかってしまうという点で、時間を重視する相手方にとっては不利な状況にありました。そして、そのような状況から、相手方は金銭等の条件については妥協せざるを得ない立場にあると思われたため、こちら側としては安易に妥協することなく、強気の交渉にでることにしました。結果として、その戦略が功を奏し、最終的にクライアントの要求をすべて通すことができたという点において、非常に大きな成功を収めることができたと思います。
