夫が妻に養育費の請求を放棄させた事例
状況
離婚については双方同意していますが、養育費をめぐって折り合いがつきません。なぜなら、妻から養育費として月々約6万円支払うことを求められていますが、私はすでに退職しており、従前の収入を前提に支払いを求めることは間違っていると思うからです。
このような状況から、この方(夫)は「養育費の請求を諦めてくれないだろうか」という思いで、ご相談に来られました。
活動
当事務所としては、夫の退職を理由に、養育費を実質的に放棄するよう妻に求める方針でいました。具体的には、学資保険の名義をすべて妻に切り替える代わりに、夫に養育費を請求しないという内容の提案をしたところ、それに賛同していただくことができ、結果として、養育費を実質的に放棄させることに成功しました。
ポイント
養育費の支払いにつき、法律上、当然に放棄が認められるわけではありません。そこで本件では、今まで積み立てていた学資保険が「養育費の前払い」にあたると主張したところ、夫にさらなる請求はしないとの合意を取り付けることができ、ひいては実質的に養育費請求を放棄させることができたという点において、大きな成功を収めることができたと思います。