財産分与に際して退職金の支払いの分割払いが認められた事例
状況
妻に離婚を求めているのですが、財産分与の支払方法をめぐって折り合いがつきません。妻は一括払いを要求していますが、退職金はまだ支払われていない以上、その2分の1に相当する額を一括して支払うことは到底できません。
このような状況から、この方（夫）は「分割払いにできないだろうか」という思いで、ご相談に来られました。
活動
訴訟提起直後、妻は「財産分与相当額をすべて一括で払ってほしい」と主張していました。しかし、当職が裁判官や相手方代理人に対し、退職金が未支給であること等を訴え続けた結果、徐々に理解を示していただけるようになり、最終的には退職金を含む財産分与の支払方法につき、長期での分割払いを認めていただくことができました。
ポイント
退職金が財産分与の対象に含まれることに争いはありませんが、その性質上、離婚成立時点ではまだ支給されていないことが大半であり、その支払方法をめぐって争いになることがよく見受けられます。そして、訴訟による解決がなされる場合、一括払いを命じられることが一般的ですが、本件では協議の末、長期の分割払いという結論にたどり着くことができ、その点において大きな成功を収めることができたと思います。
