長女の親権で争っていたが、長女の親権の取得とともに養育費の支払いもさせることに成功した事例
状況
夫のDVが酷かったため、離婚を切り出しました。しかし、夫は逆に私の不貞行為を理由に離婚を求めてくるばかりか、長女の親権を主張してくるようになりました。私としては長女の親権を譲りたくないと思っていますが、調停委員や調査官から「経済的にも監護能力的にも、夫の方がふさわしいだろう」と言われてしまいました。
このような状況から、この方(妻)は「どうしても娘の親権をとりたいが、自分では話にならないのでお任せしたい」という思いで、ご相談に来られました。
活動
調停において、まずはこちら側に有利な事情、具体的には、今までクライアントが主としてお子様の面倒を見てきたこと、お子様自身もクライアントになついていること等を洗い出し、こちらの方がより親権者にふさわしいということを強く主張していきました。また併せて、クライアントには現時点における問題点、とりわけ無職であって経済的に不安定であること、またお子様の通学状況等について改善していただくよう促しました。
その結果、当初の心証を変えることに成功し、最終的には無事にこちらが親権を取得するとともに、相手方から養育費の支払いについての合意も得られました。
ポイント
本件のように、調査委員らがすでに相手方に有利な心証を抱いており、相手方に親権を譲るよう説得してくるような場合、仮に訴訟になったとしても、裁判所も同様の判断を下すことが大いに見込まれます。それゆえ、本件ではいかに心証を変えていくか、という点が最大の課題でした。
そこで本件では、まずクライアントご自身がうまく主張することのできていなかった有利な事情を改めて整理し、それをきちんと調停で主張していくことにしました。他方、無職であること、お子様の通学状況等、親権帰属を判断するうえで懸念材料となりうる点についてクライアント自身で改善いただくなど、親権取得に向けて積極的に取り組みました。その結果、心証を「妻が親権者としてふさわしい」というものに変えることができ、最終的には親権を取得することに成功しました。このように本件は、当初極めて不利な状況であったにもかかわらず、当職による冷静な主張の積み重ね、およびクライアント自身の頑張りによって、非常に良い結果を導き出すことができました。