一貫して離婚を拒否し続けた夫と調停で離婚することができた事例
状況
性格の不一致から離婚を考えるようになり、現在、夫と離婚調停中です。しかし、夫は離婚を断固として拒んでおり、このままでは不調に終わりそうですが、不倫等の明確な離婚原因がない以上、訴訟に持ち込んでも勝ち目がないように思い、不安でいっぱいです。
このような状況から、この方(妻)は「夫と早く離婚したい、その際、養育費は可能な限り受け取りたい」という思いで、ご相談に来られました。
活動
調停において、改めてきちんと相手方の意向を確認したところ、離婚に応じられないのは面会交流の点で不安が残るため、ということが明らかとなりました。そこで、その不安を払拭すべく、まずは相手方に調停条項で面会交流についてしっかりと取り決めておくことの有用性をお伝えしたうえで、互いに無理のない取り決めを行いました。他方、養育費については、法律上の根拠を資料とともに示すことにより、説得していきました。
その結果、最終的には離婚に応じること、および養育費を相場よりも1万円増額すること、さらにはその支払終期を4年間延ばすこと(お子様が22歳になるまでお支払い)について、合意を取り付けることができました。
ポイント
不貞行為等の明確な離婚原因がない場合、相手方が任意に応じてくれない限り、早期に離婚することは難しいとされています。もっとも、なぜ相手方が離婚を拒んでいるのかを明らかにし、その点を解決することによって、早期離婚が可能となる場合があります。とくに、本件のように「離婚したらお子様と会えないのではないか」という点を不安に思われている方は一定数いらっしゃいます。しかし、裏を返せば、面会交流の点をきちんとさえすれば離婚への障害がなくなるため、早期離婚を実現させることができるのです。
本件は、そのような「離婚への障害」に的確に対処することにより早期離婚を実現させ、また相場以上の養育費を取得することにも成功しました。