別居期間が短かったものの、訴訟上の和解で相手に離婚を承諾させることに成功した事例
状況
妻のモラハラ的な態度・言動が酷く、もう別れたいと思っています。まだ別居期間が短いのですが、今後妻との関係が改善していくことは絶対にありえません。
このような状況から、この方(夫)は「なるべく早く離婚を成立させたい」という思いで、ご相談に来られました。
活動
受任後、当職は書面によって相手方と離婚に向けた交渉を始めました。当初から相手方は離婚に否定的でしたが、他方で、相手方からの書面によって、相手方自身も夫婦関係の修復は無理だろう考えていることが明らかとなりました。
結局、協議・調停はいずれも不調に終わり、訴訟手続に移行することになりましたが、その際、上記書面を証拠として提出し、離婚を拒む相手方自身も「関係修復は難しい」と認識していることをお示ししました。その結果、裁判官も、当事者双方が関係修復を諦めている以上、別居期間の長短にかかわらず離婚すべきだろうとの考えに至ったようで、離婚を前提とした和解を促されました。最終的に、裁判官のお力添えもあり、早い段階で離婚の合意に至り、和解が成立しました。
ポイント
協議段階で相手方が断固として離婚を拒絶している場合、訴訟提起も視野に入れたうえで交渉を進めること、すなわち計画的に証拠を収集していくことが必要となります。とくに、不倫等の明確な離婚原因がなく、かつ別居期間が短い場合、裁判では「婚姻関係修復の可否」が重視される傾向にあるため、協議の過程において、相手方から「関係修復の意向がないこと」もしくは「意向があっても具体的な方法がないこと」を引き出すことができれば、それは極めて有利な証拠となります。
本件は、協議段階のやりとりで相手方の意向を引き出し、書面という形で証拠に残すことができたため、訴訟でも有利な流れに持ち込むことができました。その点において、非常に良い解決となった事案です。