法律上の離婚原因が無く、子どもの条件（親権・養育費・面会交流）について大きな争いがあったにもかかわらず、協議で離婚が成立し、公正証書も作成した事例
状況
離婚するに際して、親権の帰属や養育費等、子どもに関する事項をめぐってなかなか折り合いがつきません。私としては、親権の取得を望んでおり、また妻から養育費を確実に支払ってもらえるよう、公正証書を作成してほしいと思っています。
このような状況から、この方（夫）は「親権を必ず取りたい、その際、養育費に関してきちんと公正証書を作りたい」という思いで、ご相談に来られました。
活動
受任後、直ちに相手方と電話にて協議をしましたが、やはり子どもに関する条件をめぐって話し合いが難航しました。しかし、粘り強く交渉を重ねた結果、一番の懸念事項であった面会交流につき、相手方の要求を容れたうえでその方法等を詳細に定めるに至り、他方で、その代わりとして、クライアントが親権を持つということで合意が成立しました。また、養育費についても、相場通りの額をもって合意に至ることができ、その旨の公正証書も作成いたしました。
ポイント
一般的に、明確な法律上の離婚原因がない場合、すぐさま離婚することは非常に難しく、離婚を望む側が何らかの譲歩をする必要があるとされています。そこで、まず本件においては、両者間の微妙な感情のもつれを整理し、そのうえで、面会交流について相手方の要求を取り入れた条件を提示したところ、次第にこちらに歩み寄る姿勢をみせていただけるようになりました。そして最終的に、親権を取得すること、および相場通りの養育費を支払うことに合意していただくことができ、その点において大きな成功を収めることができたと思います。
