有責配偶者(不貞行為)であるにもかかわらず離婚の合意が成立した事例
状況
妻が離婚を拒絶しており、「どうしても離婚するのなら多額の慰謝料を支払うこと、また住宅ローン全額を負担することを約束してほしい」と言われています。さらに、私がかつて不貞を働いていたことも合わさり、話し合いは非常に難航しています。
このような状況から、この方(夫)は「妻と離婚したい、その際、せめて財産分与については公平に分担したい」という思いで、ご相談に来られました。
ポイント
有責配偶者が離婚を求めて提訴した場合、それが認められるためには、別居期間が相当長期にわたっていることが要件の1つとされ、一般的な傾向としては、少なくとも7~8年は別居していることが要求されています。そして、その間も戸籍の上ではなおも婚姻関係にあるため、婚姻費用(生活費)を支払う義務を負い続け、有責配偶者は時間面・経済面においてかなりの負担を強いられることになります。
もっとも、本件ではおよそ1年程度で離婚の合意を取り付けることができました。他方、慰謝料については妻の請求額から150万円もの減額を認めさせることができ、さらには住宅ローンについて妻に全額負担させることができたという点において、大きな成功を収めることができたと思います。