養育費算定表の改定について
離婚訴訟などで子の養育費を計算する目安として使われる「養育費算定表」について、最高裁司法研修所はこの度、改定版をまとめました。2003年の公表以来初の見直しで、スマホを使う子供が増えた事や消費税10%など社会情勢の変化を反映させた形となりました。さまざまなケースが想定されますが、親の年収によっては月1万~2万円程度増えるなど全体的に増額傾向となりました。
参考例を参照に、例えば養育費を払う夫の年収が450万円、15歳未満の子1人と同居する妻の年収が150万円の家庭だと、養育費は「4万~6万円」となり、現行の「2万~4万円」から増えます。
また、養育費を払う夫の年収が800万円、15歳未満の子2人と同居する妻の年収が300万円の場合は、現行の「8万~10万円」が「10万~12万円」に増えます。
養育費算定表は、法的拘束力はないものの、素早い紛争解決につながるとして離婚調停などの実務で定着しています。
*令和元年12月23日に公表された改訂標準算定表(令和元年版)は、東京家庭裁判所ホームページでご覧いただけます。
改訂された「養育費算定票」 *下記をクリックするとPDFにて表示されます。
18歳成人への対応
養育費は、子どもが成人に達するまで支払うのが一般的です。しかし、民法改正で令和4年(2022年)4月には、成人年齢が現行の20歳から18歳へ引き下げられます。
そこで、報告書では、「大半の子どもは18歳の段階では経済的に自立していない」として、「現行通り20歳まで養育費を支払うべき」と結論付けています。